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Sarutahiko Coffee D-LIFEPLACE SAPPORO
Nov. 2023
北海道初上陸となる猿田彦珈琲の新店舗の内装設計。計画区画は札幌駅から南に延びる地下道に面した地下空間に位置している。店舗は一階部分を吹き抜けとしたアトリウムに面していることに加え、店舗内の天高が約6mと高く、外気には直接面していない環境でありながらも開放的な印象であった。
平面計画としては地下道側から物販→厨房→着席エリアとしているが、従業員控室のみ着席エリアのさらに奥に配置することで、厨房からすべての着席エリアが見通せるように配慮した。またそれらのゾーニングによる平面の凹凸や、ESC下の空間、既存の柱型などのズレをポジティブにとらえ、壁面や天井面も平面と同規模のスケール感で分節し、面の分節ごとに少しずつ段差を与えていくことで、大きな気積の中にいくつもの立体的なまとまりを作り出している。そして、それらの段差に合わせて造付のベンチや家具を丁寧に配置することで様々な居場所を作り、次訪れたときにはまた別の場所に座ってみたくなるような空間を目指した。さらに壁面の段差に店外のアトリウムの特徴的なライン照明を援用し、店舗内外の連続感、一体感を作りだすことで、店外にいる人が自然と店内に足を運びやすくするようにしている。
壁面及び天井面の仕上げは茶系の樹脂モルタルとし、分節された壁面のうち、人が触れることのできる面はざらつきを押さえ、人が触れない上部の面については荒めの仕上げとするなどして、同じ素材でありながらも座る場所や光の当たり方によって多様な表情が生まれるように意図した。
このように、大きな気積の地下空間の中に、平面計画や照明、仕上げなど、様々な手がかりを元にヒューマンスケールのまとまりをいくつも封入することで、寒冷地特有の地下公共空間に新たな憩いの場を創出することを試みた。
■建築概要
所在地: 北海道札幌市
設計: 伊庭野大輔+藤井亮介
用途: カフェ
延床面積: 130.37m2
工期: 2023年8月〜2023年11月
設計:建築 伊庭野大輔+藤井亮介
家具 秋田木工
厨房 ホシザキ
照明 大光電機
サイン artland
施工:35design
写真:長谷川健太